KiiObject にキーと値のペアを設定するには、KiiObject
クラスの set()
メソッドを呼び出します。set()
メソッドは格納する型ごとにオーバーロードされたメソッドを用意しています。
set()
メソッドの引数には、キー名と値を設定します。指定したキーと値のペアは JSON ドキュメントの第 1 階層として保存されます。
以下に値を設定するためのサンプルコードを示します。KiiObject の保存処理まで含む完全なコードは、KiiObject の作成、または、下記の 基本データ型の設定 を参照してください。また、KiiObject の更新 でも値の設定を行います。
KiiObject object = bucket.object();
object.set("score", 987);
object.set("mode", "easy");
object.set("premiumUser", false);
このコードを実行後、KiiObject を保存すると、JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"score": 987,
"premiumUser": false,
"mode": "easy"
}
第 2 階層より深い位置に値を書き込みたい場合は、目的の階層に値をセットした JSONObject を第 1 階層に書き込んでください。
1 つの KiiObject に格納できるデータの最大サイズは、キーと値のペアを JSON 形式で表現した状態で 65534 文字までです(サイズには Kii Cloud が内部で使用するフィールドも含まれます)。
サポートするデータ型
set()
メソッドの値部分は、以下の表に示す型を指定できます。
Kii Cloud に格納できる数値の範囲には制限がないため、各型で表現可能な最大値を格納することができます。
表の「JSON での値の格納結果」は、開発者ポータルのデータブラウザーで確認したり、他のプラットフォームで参照したりする際の参考として利用できます。格納と参照を同じ型で行う場合、JSON での格納結果を意識する必要は特にありません。
値の型 |
呼び出し例 |
JSON での値の格納結果 |
備考 |
String |
set("data", "123"); |
"data":"123" |
|
int |
set("data", 123); |
"data":123 |
|
long |
set("data", 123L); |
"data":123 |
|
double |
set("data", 123.456); |
"data":123.456 |
|
Boolean |
set("data", true); |
"data":true |
|
GeoPoint |
set("data", geoPoint); |
"data":{
"_type": "point",
"lat": 35.658603,
"lon": 139.745433
} |
geoPoint が (35.658603, 139.745433) の場合 |
JSONArray |
set("data", array); |
"data":[1,2,3] |
array が [1,2,3] の場合 |
JSONObject |
set("data", json); |
"data":{"a":"b"} |
json が {"a":"b"} の場合 |
Uri |
set("data", uri); |
"data":"http://kii.com/" |
uri が "http://kii.com/" の場合 |
byte[] |
set("data", value); |
"data":"YWFhYQ==\n" |
value が {61, 61, 61, 61} の場合 結果は BASE64 エンコードした値 |
- 値として null を設定する方法はありません。設定すると無視またはエラーとなります。
- 日付型(
java.util.Date
)を設定したい場合、getTime()
メソッドにより、1970 年 1 月 1 日 00:00:00 UTC からのミリ秒数を long 型のデータとして格納すれば扱いが簡単になります。
基本データ型の設定
KiiObject の新規作成時に、String、int、long、double、Boolean の各データ型を格納する例を以下に示します。
なお、以下のサンプルコードは、KiiObject の作成 のサンプルコードより、値の格納部分を変更したものです。
-
-
このコードを実行すると、KiiObject には以下のような JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"stringValue": "my value",
"booleanValue": true,
"longValue": 1495677489018,
"doubleValue": 987.654,
"intValue": 123
}
位置情報(GeoPoint)の設定
次に、KiiObject に位置情報(GeoPoint)をセットする方法を説明します。
位置情報を格納するには、まず緯度と経度を指定して GeoPoint
オブジェクトを作成します。この後、作成した GeoPoint を値として持つキーと値のペアを KiiObject にセットします。
例として、現在ログイン中のユーザーのユーザースコープに存在する "MyBucket" という Bucket 内に KiiObject を作成し、これに位置情報を 2 つセットするサンプルコードを以下に挙げます。
-
-
save()
メソッドの実行を忘れないでください。save()
メソッドを実行するまで、KiiObject にセットしたキーと値のペアは Kii Cloud に反映されません。
複雑なデータ型の設定
単純なデータ型以外にも、バイト配列、JSON オブジェクト、JSON オブジェクトの配列などのデータ型を SDK でサポートしています。
以下にこれらのデータ型の値を格納する例を挙げます。
-
-
save()
メソッドの実行を忘れないでください。save()
メソッドを実行するまで、KiiObject にセットしたキーと値のペアは Kii Cloud に反映されません。
このコードを実行すると、KiiObject には以下のような JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"myArray": [
{
"Name": "Alice",
"age": 30
},
{
"Name": "Bob",
"age": 28
}
],
"myByteArray": "aHR0cHM6Ly8=\n",
"myObject": {
"score": 987,
"mode": "easy"
}
}