KiiObject にキーと値のペアを設定するには、KiiObject
クラスの setObject(forKey:)
メソッドを呼び出します。setObject(forKey:)
メソッドは格納する型ごとにオーバーロードされたメソッドを用意しています。
setObject(forKey:)
メソッドの引数には、キー名と値を設定します。指定したキーと値のペアは JSON ドキュメントの第 1 階層として保存されます。
以下に値を設定するためのサンプルコードを示します。KiiObject の保存処理まで含む完全なコードは、KiiObject の作成、または、下記の 基本データ型の設定 を参照してください。また、KiiObject の更新 でも値の設定を行います。
Swift:
let object = bucket.createObject()
object.setObject(NSNumber(integerLiteral: 987), forKey: "score")
object.setObject("easy", forKey: "mode")
object.setObject(NSNumber(booleanLiteral: false), forKey: "premiumUser")
Objective-C:
KiiObject *object = [bucket createObject];
[object setObject:[NSNumber numberWithInt:987]
forKey:@"score"];
[object setObject:@"easy"
forKey:@"mode"];
[object setObject:[NSNumber numberWithBool:NO]
forKey:@"premiumUser"];
このコードを実行後、KiiObject を保存すると、JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"score": 987,
"premiumUser": false,
"mode": "easy"
}
第 2 階層より深い位置に値を書き込みたい場合は、目的の階層に値をセットした JSONObject を第 1 階層に書き込んでください。
1 つの KiiObject に格納できるデータの最大サイズは、キーと値のペアを JSON 形式で表現した状態で 65534 文字までです(サイズには Kii Cloud が内部で使用するフィールドも含まれます)。
サポートするデータ型
setObject(forKey:)
メソッドの値部分は、NSString、NSNumber、NSArray、NSDictionary のいずれかの型を指定できます。
Kii Cloud に格納できる数値の範囲には制限がないため、NSNumber がサポートする様々な型の最大値を格納することができます。以下の表には Int、Bool、Double の例を示していますが、イニシャライザ NSNumber(value:)
によって、Int16 や Float などの他の型を扱うこともできます。
表の「JSON での値の格納結果」は、開発者ポータルのデータブラウザーで確認したり、他のプラットフォームで参照したりする際の参考として利用できます。格納と参照を同じ型で行う場合、JSON での格納結果を意識する必要は特にありません。
Swift:
値の型 |
呼び出し例 |
JSON での値の格納結果 |
備考 |
NSString |
object.setObject("123", forKey: "data"); |
"data":"123" |
|
NSNumber(Int) |
object.setObject(NSNumber(integerLiteral: 123), forKey: "data"); |
"data":123 |
|
NSNumber(Int64) |
object.setObject(NSNumber(value: 123 as Int64), forKey: "data"); |
"data":123 |
|
NSNumber(Double) |
object.setObject(NSNumber(floatLiteral: 123.456), forKey: "data"); |
"data":123.456 |
|
NSNumber(Bool) |
object.setObject(NSNumber(booleanLiteral: true), forKey: "data"); |
"data":true |
NSNumber でも Bool を設定済みの場合は true/false を格納 |
KiiGeoPoint |
object.setGeoPoint(geoPoint, forKey: "data"); |
"data":{
"_type": "point",
"lat": 35.658603,
"lon": 139.745433
} |
geoPoint が (35.658603, 139.745433) の場合 |
NSArray |
object.setObject(array, forKey: "data"); |
"data":[1,2,3] |
array が [1,2,3] の場合 |
NSDictionary |
object.setObject(json, forKey: "data"); |
"data":{"a":"b"} |
json が {"a":"b"} の場合 |
Objective-C:
値の型 |
呼び出し例 |
JSON での値の格納結果 |
備考 |
NSString |
[object setObject:@"123" forKey:@"data"]; |
"data":"123" |
|
NSNumber(int) |
[object setObject:[NSNumber numberWithInt:123] forKey:@"data"]; |
"data":123 |
|
NSNumber(long long) |
[object setObject:[NSNumber numberWithLongLong:123] forKey:@"data"]; |
"data":123 |
|
NSNumber(double) |
[object setObject:[NSNumber numberWithDouble:123.456] forKey:@"data"]; |
"data":123.456 |
|
NSNumber(BOOL) |
[object setObject:[NSNumber numberWithBool:YES] forKey:@"data"]; |
"data":true |
NSNumber でも BOOL を設定済みの場合は true/false を格納 |
KiiGeoPoint |
[object setGeoPoint:geoPoint forKey:@"data"]; |
"data":{
"_type": "point",
"lat": 35.658603,
"lon": 139.745433
} |
geoPoint が (35.658603, 139.745433) の場合 |
NSArray |
[object setObject:array forKey:@"data"]; |
"data":[1,2,3] |
array が [1,2,3] の場合 |
NSDictionary |
[object setObject:json forKey:@"data"]; |
"data":{"a":"b"} |
json が {"a":"b"} の場合 |
- 値として null を設定する方法はありません。設定すると無視またはエラーとなります。
- 日付型(
NSDate
)を設定したい場合、timeIntervalSince1970
プロパティが返した Double 型の値を 1000 倍することにより、1970 年 1 月 1 日 00:00:00 UTC からのミリ秒数として格納すれば扱いが簡単になります。
- iOS では Android にある、バイト配列を BASE64 にして出力する機能はサポートしていません。
基本データ型の設定
KiiObject の新規作成時に、NSString、Int、Double、Bool の各データ型を格納する例を以下に示します。
なお、以下のサンプルコードは、KiiObject の作成 のサンプルコードより、値の格納部分を変更したものです。
Swift:
-
-
Objective-C:
-
-
このコードを実行すると、KiiObject には以下のような JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"stringValue": "my value",
"booleanValue": true,
"longValue": 1495677489018,
"doubleValue": 987.654,
"intValue": 123
}
位置情報(GeoPoint)の設定
次に、KiiObject に位置情報(GeoPoint)をセットする方法を説明します。
位置情報を格納するには、まず緯度と経度を指定して KiiGeoPoint
オブジェクトを作成します。この後、作成した GeoPoint を値として持つキーと値のペアを setGeoPoint(_:forKey:)
メソッドを用いて KiiObject にセットします。
例として、アプリケーションスコープに存在する "MyBucket" という Bucket 内に KiiObject を作成し、これに位置情報を 2 つセットするサンプルコードを以下に挙げます。
Swift:
-
-
Objective-C:
-
-
save(_:)
メソッドを呼ぶのを忘れないようにしてください。このメソッドを実行するまで、KiiObject にセットしたキーと値のペアは Kii Cloud に反映されません。
複雑なデータ型の設定
単純なデータ型以外にも、JSON オブジェクトや JSON オブジェクトの配列などのデータ型を SDK でサポートしています。それぞれ、NSDictionary や NSArray などのデータ型に対応します。
以下にこれらのデータ型の値を格納する例を挙げます。
Swift:
-
-
Objective-C:
-
-
save(_:)
メソッドの実行を忘れないでください。save(_:)
メソッドを実行するまで、KiiObject にセットしたキーと値のペアは Kii Cloud に反映されません。
このコードを実行すると、KiiObject には以下のような JSON 形式のデータが作成されます(管理用フィールドは省略しています)。
{
"myArray": [
{
"Name": "Alice",
"age": 30
},
{
"Name": "Bob",
"age": 28
}
],
"myObject": {
"score": 987,
"mode": "easy"
}
}