コマンドを自動実行する場合、実行するコマンドのテンプレートと実行条件をトリガーに設定します。以下に例を示します。
時間条件(単発)のトリガーの登録
単発の時間条件を持つトリガーとして、「今から 1 時間後に、エアコンをオンにする(設定温度 25 度、ファンスピード 5)」というトリガーを登録する例を以下に示します。
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ここでは以下の処理が行われています。
actions
に、トリガーによって実行されるコマンドのアクションを作成します。ここでは、3 つのアクションを設定しています。設定方法は コマンドの実行 のコードと同じです。
スキーマの情報とアクションから TriggerCommandObject
を作成し、トリガーによって実行されるコマンドとします。
ScheduleOncePredicate
にトリガーの実行時間を指定し、トリガーの実行条件とします。
コマンドと実行条件から PostCommandTriggerRequest
を作成し、postCommandTrigger
メソッドでトリガーを登録します。
Thing Interaction Framework がトリガーを受け付けた段階で Promise の then
に設定した関数が呼び出されます。
時間条件(繰り返し)のトリガーの登録
繰り返しの時間条件を持つトリガーとして、「毎日午前 9 時に、エアコンをオンにする(設定温度 25 度、ファンスピード 5)」というトリガーを登録する例を以下に示します。
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基本的な流れは、単発の時間条件の場合と同じですが、トリガーの実行条件の初期化方法が異なります。
SchedulePredicate
にトリガーの実行時間を指定し、トリガーの実行条件とします。設定方法については、時間条件(繰り返し) を参照してください。
ステート条件のトリガーの登録
単純なステート条件を持つトリガーとして、「室温が 30 度以上の時、エアコンをオンにする(設定温度 25 度、ファンスピード 5)」というトリガーを登録する例を以下に示します。
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基本的な流れは、時間条件の場合と同じですが、トリガーの実行条件の初期化方法が異なります。
- トリガーの条件を作成します。まず、
Condition
に比較条件を設定します。ここでは、ステート で登録している currentTemperature
が 30 以上の場合に true になる条件を作成しています。
- 次に、
StatePredicate
を作成します。StatePredicate
が最終的にトリガーに登録する条件です。コマンドは、30 度未満の状態から 30 度以上になったときに実行したいため、CONDITION_FALSE_TO_TRUE
を指定します。
複数のステート条件での登録例
ステート条件を AND で結合する例を以下に示します。この例では、「電源がオン」かつ「湿度が 80 より大きい」場合に「ファンスピードを 10 に設定する」というトリガーを登録します。
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基本的な流れは、単一のステート条件の場合と同じですが、Condition
の初期化方法が異なります。ここでは、「power
が true に等しい」という条件と、「currentHumidity
が 80 より大きい」という 2 つの条件を作成し、それを And
で結合したものを比較条件として設定しています。
詳細情報を指定したトリガーの登録例
トリガーを設定する際、詳細情報を指定することで、以下のようなトリガーを登録することができます。
他の Thing にコマンドを送信
ある Thing でステート条件が満たされたとき、別の Thing にコマンドを送信するようなトリガーを登録できます。
例えば、温度計デバイスとエアコンが別の Thing として管理されているとき、「温度計デバイスが一定の温度以上になったとき、エアコンの電源を入れる」というようなトリガーを実現できます。
コマンドやトリガーの詳細情報を設定
コマンドとトリガーのそれぞれに対して、タイトル、詳細な説明文、JSON 形式で表現された任意のメタ情報を設定できます。
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ここでは、次の処理を行っています。
条件が満たされた場合に実行されるコマンドを TriggerCommandObject
として作成します。このインスタンスは以下の情報から作成します。
target
にコマンドの送信先の Thing を用意します。
このサンプルコードでは、ThingIFAPI インスタンスの api
と api2
によって、それぞれ温度計デバイスとエアコンの Thing が管理されているものとします。api
(温度計)のステートが指定条件を満たした場合、api2
(エアコン)から取得した target
に対してエアコンの電源を入れるコマンドを実行します。
api
と api2
は、それぞれでインスタンス生成や初期登録処理が実行されており、同一のオーナーであることが必要です。
- コマンドが実行するアクションを
actions
に用意します。
commandTitle
、 commandDescription
、 commandMetadata
に詳細情報を用意します。
これらは コマンドの詳細情報 に示すとおり、アプリケーションの仕様に合わせて自由に利用できます。最大長などの制限値についても コマンドの詳細情報 をご覧ください。
実行する条件を StatePredicate
として作成します。
PostCommandTriggerRequest
に上記の TriggerCommandObject
、 StatePredicate
、トリガーの詳細情報を指定します。トリガーの詳細情報は、コマンドと同様、アプリケーション独自の情報を設定できます。最大長などの制限値はコマンドに対する詳細情報と同じです。
最後に、作成した PostCommandTriggerRequest
を引数として postCommandTrigger
メソッドを呼び出して、新しいトリガーを登録します。