Thing SDK Embedded の導入手順
Thing SDK Embedded は、GitHub からのソースコードの形で提供しています。この手順では、ソースコードを GitHub からダウンロードしてビルド環境を構築し、ライブラリーとテストプログラムをビルドするまでの方法を示します。
Thing-IF SDK と併用する場合、この手順は不要です。
ソースコードには、特定の環境に向けたリファレンス実装が組み込まれています。SDK では、ソケットやマルチタスクのサポートが必要ですが、各環境に適したライブラリーをリファレンス実装として組み込んだ形で提供しています。構成の詳細は こちら の Thing-IF SDK の説明をご覧ください。
ここでは、Linux 上でのビルド方法を説明します。これ以外の環境に対応する場合、ここでのビルド方法を参考にして実行モジュールを作成してください。
GitHub からダウンロードしたソースコードに含まれる gt202、INTEL、MTK、TI、WinnerMicro ディレクトリの扱いについては OS 依存の処理の実装 の説明をご覧ください。
環境の準備
ビルドの前に、事前に以下の準備を行う必要があります。
GitHub のアカウントの取得
GitHub にアクセスしてアカウントを作成します。
公開鍵の設定
SDK のビルド中、SSH 接続によってサブモジュールを自動的にダウンロードします。ビルド環境でキーペアを作成し、GitHub にその公開鍵を設定しておく必要があります。
未設定の場合、下記の
git submodule
コマンドでエラーとなります。ビルドツールのインストール
git、gcc、make、Doxygen 等のビルドツールや openssl などを事前にインストールして、設定します。
これらの準備作業は Kii Cloud に依存しない操作です。手順の詳細は Web 等の各種情報源を参考にしてください。
ライブラリーのビルド
GitHub からソースコードをダウンロードして、ライブラリーをビルドします。
Thing SDK Embedded をダウンロード
作業ディレクトリに移動後、シェルから以下のコマンドを入力して Thing SDK Embedded をダウンロードします。
$ git clone https://github.com/KiiPlatform/KiiThingSDK-Embedded $ cd KiiThingSDK-Embedded
サブモジュールのダウンロード
SDK の構成 に示したサブモジュール(kii_json)をダウンロードします。
$ cd kii $ git submodule init $ git submodule update
SDK のビルド
Linux の場合、KiiThingSDK-Embedded ディレクトリ直下で make コマンドを実行すると、libkiisdk.so ファイルをビルドできます。これは、SDK のライブラリーとして、ユーザープログラムに組み込んで使用できます。
$ make
Linux 以外の環境でビルドする場合も、Linux の Makefile を参考に、ライブラリーや実行モジュールをビルドしてください。
サンプルプログラムのビルド
ダウンロードしたソースコード中、Linux ディレクトリには、SDK の機能を簡単に試すためのサンプルアプリケーションが含まれています。必要に応じてビルドしてください。
AppID 等の変更
ソースコード中に AppID、AppKey、Site が埋め込まれています。エディターで以下の箇所を書き換えます。
書き換えるファイルは、Linux/example.h です。最低でも、以下の 3 行を作成した Kii Cloud 上のアプリケーションに合わせて書き換えます。アプリケーションの作成や AppID 等の取得方法は こちら を、下記の定数を使っている初期化処理については こちら をご覧ください。
const char EX_APP_SITE[] = "JP"; const char EX_APP_ID[] = "01234567"; const char EX_APP_KEY[] = "0123456789abcdef0123456789abcdef";
これ以外に、テスト用の ID が記述されている箇所があります。実行するサンプルの機能に応じて書き換えてください。これは、アクセストークンの設定 に示す機能で使用します。
const char EX_THING_ID[] = "th.396587a00022-51e9-4e11-5eec-07846c59"; const char EX_ACCESS_TOKEN[] = "PlRI8O54j74Og7OtRnYLHu-ftQYINQwgDRuyhi3rGlQ";
ビルドの実行
make コマンドでビルドを実行します。
$ cd ../Linux $ make
動作テスト
ビルドが完了すると、同じディレクトリに実行モジュール exampleapp ができます。実行時のオプションについては、ソースコードをご覧ください。
ライブラリーの読み込み
Thing SDK Embedded を利用するには、SDK を利用するすべてのソースで kii.h をインクルードします。
#include "kii.h"
kii.h の内部で kii_json.h もインクルードしているため、JSON の解析機能 も利用できます。
なお、Thing-IF SDK の kii_thing_if.h をインクルードしている場合、内部で kii.h や kii_json.h が読み込まれるため、kii.h と kii_json.h のインクルードは不要です。