Hello Thing-IF(スキーマ方式)

Hello Thing-IF は、Thing Interaction Framework を初めて使う方に向けた解説用アプリケーションです。このサンプルでは、モバイルアプリから擬似的なスマート LED ライトを制御する例を使って、Thing Interaction Framework 経由での遠隔操作やセンサー値の取得方法を示します。

Thing Interaction Framework は、IoT ソリューションを素早く構築するための Kii Cloud の機能で、モバイルアプリと Thing(IoT でのモノ)の連携を容易に行うことができます。モバイルアプリと Thing の両方に対して、それぞれ Thing-IF SDK を提供しています。

このチュートリアルでは、モバイルアプリを Android で、Thing を Linux で構築します。Thing 側は、実際の LED ライトのハードウェアを使用する代わりに、Linux のコンソールで制御に必要な情報を出力します。また、センサー値を読み取る代わりに、適当に生成した数値を使ってモバイルアプリに表示します。

Thing 側の実装で使用する Thing-IF SDK for C は高い移植性を持っています。通信やタスク生成など、OS に依存する処理をユーザープログラム側で実装できるため、最終的には Linux 以外の様々な組み込みデバイスにも導入できます。

Hello Thing-IF は、Thing Interaction Framework の使い方やアプリの設計方法を説明するためのサンプルアプリです。Kii Cloud での IoT ソリューションの構築方法を理解するための初めの足掛かりを得ることが目標です。同時に、実際の開発時に応用できるスケルトンとしてもソースコードを利用できるよう、基本となる実装をひととおり網羅しています。

このチュートリアルでは、API の使用方法やアプリの設計の際に必要な基本概念を説明します。チュートリアルの最後に、今後の情報収集を行うためのヒントや、実際のアプリケーション開発で必要となる機能を紹介します。

このチュートリアルは、各プラットフォームでのモバイルアプリの実装方法や開発環境の操作方法は、習得済みであることを前提としています。これらの情報については専門書や技術系 Web ページをご覧ください。

チュートリアルの構成

サンプルコードの解説は、以下の 4 つから構成されています。順番どおりに読み進めていくことをおすすめします。

Thing Interaction Framework はモバイルアプリを iOS で構築することもできます。iOS 版のサンプルコードと解説は、今後整備する予定です。iOS でモバイルアプリを構築する際、Thing-IF SDK の利用方法は Android の解説を参考にしてください。

Thing Interaction Framework は、機能ガイドの Thing-IF SDK とリファレンスガイドの Thing-IF SDK v2 ガイド で詳細な仕様が説明されています。チュートリアルで紹介されている技術の詳細を知りたい場合は、各ページの最後の「より詳しく学びたい方へ」から、これらのページの情報を参照できます。

今回使用するサンプルアプリでは、チュートリアルでの説明を行うため、最低限の機能だけをピックアップして実装しています。これ以外にも、Thing-IF SDK の機能をひととおり使用したサンプルアプリ(AndroidiOS)も用意しています。また、Thing-IF SDK for C には Linux などの環境で使用できる サンプル も含まれています。